冬の中を歩く 冬の中の春を歩く そこにあるはずのない物を 探して BPM128の振動が 時に激しく 時に優しく 常に頭を揺らす 未だ長く柔らかい 影を引き摺り歩く 気の向くままに 足の向くままに 浮かぶハナウタは 風に乗って空にぶつかり 今を写しながら弾け散る なぜか そこは軽やかで なぜか 少し淋しくもあり 振り返れば 振り回され続けた影は いつかの面影はなく いつしかぼろぼろに 歩く冬の中 歩く冬の中の春 そこにあるはずのない物は やはり あるはずもなく BPM128の振動が 時に激しく 時に優しく 常に頭を揺らす いつしか 影は 何処へと逃げ去って 陽光に包まれて歩く冬の中 硬い風に甘噛みされながら歩く冬の中の春 そこにあるはずのない物は 依然 見付からない |