雪を見て 浮かぶでも無く沈むでも無く ただ揺れる今を肴にと 季節を奪われ
ただ時のみが強く流れ 雪中を歩く
歩は明日へ 足は明日へ 手はポケットの中の今のまま 空は黒
この際 きわ に 笑みのみ溢 あふ れ 笑みのみ零 こぼ れ 月は白 ふらつく足元
揺れる夢 今 確かなのは この手の中の 氷だけのグラスのみ のんびりと
ふと思いつき朱に染まり行 ゆ く この空もまた 直ぐ忘れ 笑む月は半分のまま 天に向かって昇ったばかり 時よ
笑えるかこの今を もし笑えぬなら 代わりに 自分が笑えんでもないが 見上げれば
ただ青の一つだけ 浮かべる物すら思うを拒むか ふと短詩なぞ
書いてみたいと思う夜 いつかに戻って いつかのように |