「なんか、今日は落ち着かんの。なんぞでもあったのか」 「開設記念日だとさ」 「開設記念日じゃと。一体何の」 「何のって、ココのに決まってるじゃないか」 「ココって、海の家がか」 「海の家も、酒場も、何なにもかもがさ」 「何もかもじゃと、すると何じゃな、宇宙も今年で1歳ってことかの」 「『 遮莫 〜さばれ〜 』がだよ」 「それなら、何かせにゃならんの」 「なぜ、じいさんが」 「なぜって、ココを創ってんのはワシ等じゃからな」 「だから、あんたと一緒にしないでくれって。だいたい、 あんたは何時も酔っぱらって勝手なこと言ってるだけじゃないか」 「そんなことないぞ、 ワシが『垂拱譚』や『風鏡譚』で見せた名演技、知らんとは言わせんぞ」 「沈まない太陽や、石ころや、書き割りのたぐいに演技力は関係ないだろ」 「おまえさん、裏方を馬鹿にしとるな」 「裏方ってのは、ココを創ってる連中のことさ」 「それって、ワシ等の事じゃないのか」 「ココを創ってんのは、『さばれ』と『ごさどん』だよ」 「そんなヤツ知らんぞ」 「あんた、『遮莫の口上書き』読んだこと無いな」 「わしゃ、宣伝文句のたぐいは読まん事にしとるんじゃ。 ひどい目に遭いそうな気がしての」 「ひどい目に遭いそうじゃなくて、ひどい事言いそうになるだろ。 第一、口上書きには事実関係しか書いてないよ」 「なんじゃ、最近じゃハッタリを事実関係と言うんか」 「なんだ、読んだことあるんじゃないか」 「たまたま、活躍の場を求めて立ち寄っただけじゃよ」 「さもあらばあれだな」 「おぅ、遮莫じゃ」 「しかし、何でこんなめでたい日に、あんたと二人っきりで・・・・・・」 「おおかたアレじゃな、突然一周年じゃと思い立ったのはいいが、 ネタと時間が無くてこれでごまかそうって魂胆さね」 「だいたい『遮莫』自体がそうじゃったな。 たしか、突然思い立って構想一日、 作成一日半で立ち上げたお気軽サイトじゃったな」 「始まった頃は、『さくらうた』、『酒場』と、『海の家』か」 「少しは賑やかになったんじゃないかの」 「ココは相変わらず、閑古鳥さえ寄り付かんがの」 「そんな事言ってると飲み代もらうぞ」 「なんじゃ、今日はおまえさんのオゴリだったのか」 「一周年記念だからな」 「ってことは、ココも一周年てことか」 「だからさっきから、言ってるだろ」 「なるほどな、四ヶ月ほど店じまいしてても、一周年には違いないってことかの」 「誰のせいで、四ヶ月休業したと思ってるんだ」 「そりゃ、あれじゃろ、ココの作者であるところの『さばれ』のせいじゃろ」 「あぁあ、なんだかまたココを閉めたくなってきたよ」 「なんじゃと、そりゃ大変じゃ、でもその前にもう一杯頼むぞ。 ああ、ついでにグラスも替えとくれ」 「グラス?」 「このグラス底が抜けてるみたいじゃからの。 いくら注いでもすぐ、カラになっちまうんじゃよ」 9,Aug,2000
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