「心なしか、ココに顔出すのも久しぶりのような」 「いろいろあったからね」 「まっ、年度初めはいつもこんなもんじゃろうて」 「『 遮莫 〜 さばれ 〜 』には年度は関係ないだろ」 「それは甘いぞ。どこぞのだれぞは、みんなが何かと忙しくしている内に、 今がチャンスと・・・」 「今がチャンスと。何をしたんだい」 「おっ、おまえさん何も知らないのか」 「あんたは何か知ってるのか」 「おおっ、質問を質問で返しおったな」 「どっちが・・・」 「あまりに、いろいろありすぎての」 「例えば?」 「うむ、例えばじゃ、ココの掲示板じゃ」 「ああ、『 hobo jungle 』と統合したんだっけ」 「ワシが気軽に出入りできる数少ない場所じゃったのに・・・」 「なんだかんだ言って、じいさんがツブしたんじゃないのか」 「おいおい、それはないじゃろ、ワシはひたすら盛り上げ役に徹してじゃな」 「って、言うほど顔出してないだろ」 「じゃから、ひたすら縁の下で」 「なるほど、縁の下で雨露をしのいでいたのか」 「ううっ、今日はおまえさんヤケにからんでくるの」 「ここんとこ、なんだかんだの煽りをくって、忙しかったんだよ」 「なんと、アオリイカを食ったのか。アオリイカといえば・・・」 「ううっ、また始まった」 「いや、アオリイカは始まりと言うよりはむしろ終わりに近いんじゃないか。 まぁ、養殖物なら季節は関係ないか」 「掲示板統合は、『 遮莫 〜 さばれ 〜 』フレーム版が、閉鎖するからだよ。 それだけじゃないぞ。テキスト版は引っ越しするしで。 おかげで、こっちはてんてこ舞いさ。 これからフレーム版店と旧テキスト版店の後片づけと、 新テキスト版店の開店準備に・・・」 「在庫整理なら協力してやらんでもないがの」 「幸いなことに、その必要はないよ。 なにしろ、この前じいさんが飲み尽くして以来、 まともに仕入れしてるヒマなかったからな・・・」 「エイプリルフールにしてはあまりにも情けない冗談じゃの」 「何しろ忙しいんだよ。ジョークなんて考えてるヒマがないんだよ。 もう少し落ち着くまで。なにしろ、ウォーレスの酒場存亡の危機だから・・・」 「大袈裟なヤツじゃな」 「3月中はオリジナル版店、フレーム版店、旧テキスト版店、新テキスト版店、 仮営業も含め四つの店が、一気に半分の2つになるんだよ」 「在庫整理なら協力してやらんでもないがの」 「だから、その話はもう・・・」 「とにかくだ、申し訳ないが、そんなわけで今日は閉店だよ」 「まだ来たばかりじゃないか」 「ああ、そうだ、お詫び代わりのプレゼント店の前に用意しておいたから・・・」 「ああっ、おまえさん、何か考え違いをばしておるんじゃないか、 ワシがほしいのは、心づもりではなく、心なんじゃぞ」 「まぁ、そう言わずに、見るだけでも四月一日のプレゼントさ・・・」 「まぁなっ、そうまで言われると・・・。四月一日か、それはめでたいの」 「なにしろ、新年度の始まりの日だからな」 「ぬぉっ、今思い出したぞ。わしが今日ここへ来たのは。 まさに、四月一日ジャングル一周年の祝いに」 「なんじゃ、もう出かけちまったのか。オマケに鍵まで掛けおってからに」 「こうやって、わしがいるからには、鍵なんぞかける必要なかろうにの」 「はてさて、件の合い鍵はどこへしまったんじゃったけ」 「おっと、忘れるトコじゃった。店に戻る前にプレゼントとやら探さんとな」 「おい、おい。プレゼントなぞ・・・。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。 こりゃ、ワシとしたことが・・・。すっかり、ひっかかってしまって・・・」 「仕方がないのぅ。今日はすぐにも帰るつもりじゃったが。 用心深いわしを、こうまで見事にひっかけてくれたお礼に ヤッコさんが戻ってくるまで、店番なぞしてやろうかの」 「さぞかし、驚き感謝してくれるじゃろうて、その顔見物じゃな」 「それにしても、合い鍵はどこへしまっといたんじゃったけの」 1,Apr,2002
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