彼方へ、そして・・・ 
断続寓(愚)話 『 彼方へ、そして・・・ 』 その十八



   その十八  こん、こん。とん、とん。
 
 
こん、こん、こん。
どこかで何かが、
こん、こん、こん。
 
とん、とん、とん。
どこかで誰かが、
とん、とん、とん。
 
こん、こん、こん、こん。
とん、とん、とん。
 
虚空 こくう の果てで、
こん、こん、こん。
 
永久 とわ の裾野 すその で、
とん、とん、とん。
 
どこかで何かが、
どこかで誰かが。
 
何かがどこかで、
誰かがどこかで。
 
こん、こん、こん、こん。
とん、とん、とん。
 
こん、こん。
とん、とん。
こんとんとん。
 
とことん、とことん、
とんとことん。
 
こことん、こことん、
こことんとん。
 
 
こんこん、
楽の音発動し。
とんとん、
世界は脈動す。
 
こんとん、
こんとん、
虚は出でる。
こんとん、
こんとん、
空は舞う。
 
こん、こん。
とん、とん。
楽の音は、
永久の裾野に鳴り響く。
 
こん、とん。
こん、とん。
そが拍子、
虚空の果にこだまして、
戻りて来たるを、えやはとどめん。
 
こんとん、そこここ飛び回り、
こんとん、ここそこ交わって、
こんとん、そこここ遁走 とんそう し。
こんとん、とことん困頓 こんとん す。
 
とんこん、遁竄 とんざん 頓挫 とんざ して、
とんこん、鈍根 どんこん 遁辞 とんじ して、
とことん、こんとん困頓す。
 
こんとん、頓狂 とんきょう 声あげて、
とことん、互いを呑却 どんきゃく す。
 
こんこん、とっさに頓教 とんぎょう し、
とんとん、頓作 とんさく 、頓悟 とんご した。
 
 
気付けば、いつしか音は消えて、
気付けば、いつしか楽消えて。
気付けば、いつかし音は消えて、
気付けば、いつしか楽消えて。
 
新たに、生まれし、
混と沌。
そこに、在りしは、
沌と混。
 
虚空の果に、
沌と混。
永久の裾野に、
混と沌。
生まれ出しは、新たなるもの。
 
混沌、混沌、混と沌
虚空の果に、
永久の裾野に、
生まれ出しは、未知なる既知。
生まれ出しは、既知なる未知。
 
そうそう、それが
混と沌
そうそう、それこそ
沌と混
混沌、混沌、混と沌
 


 
 
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