サイダーの細身のグラス口に寄せ サイダーの太めのストロー口で寄せ 鼻先で弾 はじ け散った泡三つ四つ 舌先で弾け飛んだ泡三つ四つ 胸の内弾けず消えた泡少し サイダーの細身のグラス口に寄せ サイダーの太めのストロー口で寄せ 日の中に浮かぶ半分の月を見つけ 日の中に沈む半分の自分を見る 心に浮かぶ新たな泡また少し 手に伝わる細かな振動の心地よさ 例えばそれは束の間の微睡 まどろ みにも似て 例えばそれは永久 とわ の微睡みにも似て 例えばそれはいつもの戸惑いのように 消えては浮かび消えては浮かぶ テーブルに残る環 踊りをやめたストロー 音を立て崩れる氷 氷に留まる泡三つ四つ 胸の内弾けず消えた泡少し 心に浮かぶ新たな泡また少し そしてそこには空のグラス サイダーの細身のグラス汗まとい |
Copyright ©2001-2024 gosadon All rights reserved |
初出
: 『 クローバーのノート 』にて 2002.01.10.
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/9060/ |