夏至



 
真黒 まくろ き猫の
その小さな伸びは
やがて影と重なって
 
真黒き猫の
その小さな伸びは
いつか影とひとつになって
 
 
 
夕日に伸ばされ
深紅 しんく となって
何処 どこ までも
 
 
何処までも
朝日を目指して
旅立ちました
 
 
 
そして
真黒き猫は
今はいないその猫は
 
 
いつものように
あくびのひとつ
右手で軽く
汗を拭 ぬぐ
 
 
いつものように
しっぽを揺らして
立ち去りました
 
 
 
いつものように
夏至の日に

 

 
 
 
 
 
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