八月の高い空に


  
  

太陽は
天頂から逃げ
いつしか
影は長く
柔らかく
 
そっと
肩を叩く風には
ほのかに香る
秋の味
 
そんな
そんな
灼熱の日
 
 
踏みしめる
アスファルトは
柔らかく
 
声は思いは
熱に打たれ墜ち
届かず伝わらず
 
仰ぎ見た
空は雲は
目の前を過ぎる
朱に染まったトンボ同様
素知らぬ顔のまま
 
 
太陽は
天頂から去り
影は長く
柔らかく
 
執拗に
肩を叩く熱風は
何かを
企んでいるような
 
そんな
そんな
季節の狭間の
灼熱の日
 
 
求める物は
願う物は
そこには無く
 
そんな
そんな日に
巻き込まれ
飲み込まれ
 
ただただ
憑かれ
浮かれ
彷徨う
 
 
太陽は
天頂から逃げ
いつしか
影は長く
柔らかく
 
そっと
肩を叩く風には
ほのかに香る
秋の味
 
そんな
そんな
八月の末
 
仰ぎ見た
空は雲は
やはり
いつものままで
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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