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黒い空 浮かぶ月 　 柔らかな月の光に押され 雲達は ゆったりと漂い流れ 　 夜もその半ばを越え いつしか喧騒は去り 今日の残滓も彼方へ 　 　 先刻まで ただ おとなしく 群れていた彼等は 　 月が 柔らかい光を 増すにつれ 　 風が その枝に 戯れ始めるにつれ 　 その時を 待っていたかのように 浮かれ踊り 群れから離れ あるものは上へ あるものは下へと 　 　 突然始まった 狂乱の宴は 一瞬にして 周囲を月色に変え 闇を浸食しだす 　 　 黒い空 浮かぶ月 舞う花の欠片達 　 　 静寂に包まれた宴は 　 まだ 始まったばかり