十五夜の月を探しに


  
  
 
秋の虫の声に包まれながら
月を探し
深めの夜を歩く
十五夜の今
 
身に纏わり付いて離れようとしない
暑い空気を連れに
汗を共に
 
やがて
流れる雲の狭間から
顔を見せる月
時には薄雲と戯れ
時には暗い空にくっきりと
 
 
 
ふと思い
一向に進まぬ季節に習って
立ち止まってみる
 
結局
何も変わらず
何も起こらず
 
 
そう
何も変わらない事は
何も起こらない事は
察していたが
 
 
 
見上げた空は
風が強いらしく
薄い雲厚い雲
白い雲黒い雲達が
かなりの速さで
月の前を駆け抜けていく
 
月は見え欠け隠れを繰り返す
まるで月食が
際限なく繰り返しているように
 
もっとも
月は変わらず
素知らぬ顔のままで
 
 
身に纏わり付いて離れようとしない
暑い空気を連れに
汗を共に
 
秋の虫の声に包まれながら
月を眺め
深めの夜を歩く
十五夜の今
 
 
 
それにしても
 
暑いな
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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