傘の下から窺 うかが う外


  
  
 
かなりかなり
不機嫌な空
まれにそよ吹く
北からの風さえも熱を運んでくる
不機嫌な空
そんな空の下をただただ歩く今
 
徐々に徐々に
雲達が集い始め厚みを増し
いつしか
ポツリポツリだった雨は
派手なリズムを刻み出す
 
 
雨一粒一粒が
傘に当たるそれら音が耳を打ち
光の一粒一粒が
街の光を浴び地面に弾け崩れ散り
そこここで踊りだす数多の光が
目を惹きつける
 
どうやら彼等は
突然始まった宴に夢中で
周囲を冷やす事を
すっかり
忘れ去ってるようで
 
 
更に集う雨粒達に
暑さと湿気が
更に追い打ちを掛ける中
ふと思う
この祭りに気付き
雷神風神が馳せ参じる前に
静かな場所へ穏やかな場所へ
さっさと帰るか
 
 
そして
夜も更に深みを増した頃
外の様子を窺うと
祭りの余韻は
跡形もなく消え失せ
 
洗われた空では
ただ独り
満ち足りた顔の月が
冷ややかに笑っている
 
 
そんな今の空に月に
釣られたのか
いつの間にか微笑んでいる
自分がそこに
 
いた
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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