音を飲み込み 音を食べ 雪が降りる 地に着いた雪は 鮮やかに光り なおも音を 目と耳と足を 雪に奪われ たまらず 空を仰げば そこは一面の混沌 口をつく溜息も 白い息を残し 瞬時に吸い込まれ ふと気が付けば 足の下から 雪達の小さな悲鳴 その声を聞きながら 足下の雪に悪いと思いながらも なぜか足は轍わだち 横の新雪の上へ 心地良い足下の感触が ただまた懐かしく 地に降り立った雪は 鮮やかに光り 静かに高さを増していく 彼等はどこまでいつまで 積み重なるつもりなんだろう 音を飲み込み 音を食べ 雪が降りる 飽く事無く 休む事も無く 無言のまにまに ただただ ただただ |