『 この九月の空の下で 』
 
 
 
空っぽの空

空っぽの空
冷笑する太陽を除けば
そこに雲は無く
ただ青が在るのみ
 
親近感を
覚えてなのか
無い物を
探し求めているのか
 
なぜか気になり
つい魅入ってしまう
ただの青空
 
 
 
 
 
静かな雨

 
 
空は
重く暗く
押し黙ったまま
 
優しく
冷たく
静かに纏わり続ける
小糠雨を連れに
今を歩く
 
あくまでも
無表情を貫き続ける空
時の流れさえ
止まったかと感じる今
 
ふと気が付けば
微笑んでいる自分が
そこに
 
いて

 
 
 
 
 
 
 
 
   
雨に埋もれて
 
雨に埋もれ
通り過ぎて行く今を
茫と眺める
 
そんな時間も
 
また

 
 
 
 
 
 
 
宴の後
   
 
あれほどに
群れ集い
宴を繰り広げていた
雨雲雷達はやがて去り
 
後に残されたのは
久々に仰ぎ見る星達と
空の宴に
乗り損ねたこの身のみ
 
おっと
そこここに点在する
宴の残滓
水溜まりを
忘れる訳には・・・

 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
 そんな今
 
同じ事ばかりが
繰り返される
 
 
見える景色は
変わり続けているのに
 
時は
流れ続けているのに
 
 
なぜ
そう感じるのだろう
 
 
 
 
 
混濁の九月に
 
時には喚き
時には囁き
 
時には早口で
時にはゆっくりと
 
時には
青空に太陽に
席を貸しながら
 
延々と語り続けた
九月の雨は
いったい
何を
伝えたかったんだろう
 
依然
混濁の九月は続いたままと

 
 
 
 
 
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