『 凍ったそこから 』
− 二十八で終わる月の六つの断片 −
『 ボタボタ 』
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ボタボタと
春の雪が落ちてくる
ボタボタとだらしなく
大きな音を立て
ボタボタと
春の雪が落ちてくる
ボタボタとだらしなく
ただ地に溜まる
ボタボタと
春の雪が落ちてくる
ボタボタとだらしなく
まだボタボタと
またボタボタと
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『 痩せ我慢 』
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無理してみよっか
無理してみせよっか
望むままにさ
無理してみよっか
無理してみせよっか
それで満足するのなら
それで笑えるなら
それで笑えるなら
いくらでも
いくらでも
それで他人の振りしてくれるなら
無理するよ
無理するさ
無理してさ
ただひたすらに
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『 沈丁花 』
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短い月の今だから
直ぐに消えゆく今だから
沈丁花の香りに乗って
どこかへ
そっと
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『 思い出したように 』
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思い出したように
って
そばから忘れてるけど
まるで
思い出したかのように
う〜ん
まだ二度目だから
えっとぉ〜
あらら
これは
カウントに入れてもいいのかな
・・・なんだっけ
大丈夫かぁ〜
まっ
いつもの事だけど
って
思い出したようにさっ
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『 こんな感じ 』
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この気忙わさ
この逼迫感
時の流れは変わらないけど
この焦燥感
この殺気
時の流れはいつもと同じ
でも
この感じ
それほど嫌いでは
う〜ん
ないかも
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『 すべてよし 』
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ただ
ただ
思うがままに
そのままに
すべてよし
すべてがよし
ただこのままで
またそのままで
この喧噪の心地よさ
この乱雑の心地良さ
すべてよし
すべてがよし
ただこのままで
またそのままで
ただ
ただ
思うがままに
そのままに
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