そんな春の風に


 
 

 

風吹くも散らすものなく二月の紫陽花

 

 

また卓袱台 ちゃぶだい を返しての
そんな冬の去り方も

 
 
 

たまには聞けと言うも虚しく風は過ぎ

 
 
 

踊り来る風に身を奪われて仰ぐ空
いつにも増して青く遠くに

 
 
 

 
 
 

流れゆく雲を喰らいて満ちる月

 

 

願わくは
彼方 あなた の風にと
雨さえ宿る
この軒下で

 
 
 

咲く前の桜の花の地に舞い降りて寄り集い
咲く前に桜の花の地に降り来たり宴前

 
 
 

カタクリもよっこらしょと風を聞き

 
 
 

 
 
 

春風浴びて
春日を浴びて
泥濘 ぬかるみ さえも
残さずに

 
 
 

目醒めれば言うこともない春の中


 
 

 
 
 
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