『５・７・５』

『５・７・５』

背を押されしがみつきたる細さにも
　
あの空は招いているか風を聴く
　

2003年9月18日
硝子の羅針盤　にて

空を負い虚空^こくうを踊る星もまた
　
弱法師^よろぼしが目にした星に掛ける願
　

2003年8月30日
硝子の羅針盤　にて

夏の夢流れを追ってどこまでも
　

2003年7月31日
硝子の羅針盤　にて

受け取りし手花火揺れて描く文字は
　
手牡丹の落ちるその間に解く髪
　

2003年7月14日
硝子の羅針盤　にて

隠れても日車^ひぐるまの追う目伏^まぶし燃ゆ
　

2003年7月5日
硝子の羅針盤　にて

　　　梅雨入り前の、晴れた日に
　
紫陽花が爪先だって睨^にらむ空
　

2003年6月8日
HAGOROMO　にて

　　　『観覧車』
　
ゆっくりと空に近づく観覧車
　
沈んだ夕陽また顔を見せ
　
浮き世の憂さを大地に置いて
　

2003年2月2日
HAGOROMO　にて

そらいずこにぎったゆきだまただおとす
　

2002年12月9日
HAGOROMO　にて

残照に　水道噎^むせて　湯を吐いて
　
虫の音が　打ちて消される　蚊の羽音
　

2002年8月29日
HAGOROMO　にて

八重桜
咲くに戸惑い
膨らんで
　

2002年4月30日
HAGOROMO　にて