『７・７・７・５』

『７・７・７・５』

　
　

　

「タチツボスミレ」

仲の町待^{なかのまちま}ちただうつむいて
地に夢見るは今日の明け
　

2004年6月18日

　

　

空と溶け入る格子の向こう
スミレは青く人を呼び
　

2004年6月18日

　
　
　

夕日の去りて
まだ夜遠く
灯^ともす行燈^あんどん
烟^えんも泣く
　

2004年6月18日

　
　
　

また青と咲く紫陽花の嘘
夢に零^こぼれて露の世は
　

2004年6月11日

　
　
　

　
　
　

すごしたひびが
うめいちりんと
いまなおやどる
このはなに
　

2004年6月11日

　
　
　

くわえた煙管^きせるまたやにさがる
らおのひとつも抜くときか
　

2004年6月4日

　
　
　

薄情の空
薄墨の空
この梅雨空に
垂れるのは
　

2004年6月4日

　
　
　

あじさいさいてくちをばつぐむ
なさけのほしくこころさく
　

2004年6月4日

　
　
　

そのかたむいたおちょうしひとつ
しずくぬぐいてたてませう
　

2004年6月4日

　
　
　

前に結んだこの帯の意味
説いて解けぬ星月夜^{ほしつくよ}
　

2004年6月4日

　

　
　
　

　
　
　

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『奥に細道』

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