『 はるをなくして 』

 
 
 
『 夏 』   ・・・片歌五つほど
 
 

イトトンボ雲の隙よりのぞむ青空
 
 
ハンゲショウ花落ちいつか葉色も変わり
 
 
陽を浴びて雨の優しく肩に舞い降る
 
 
空高くネットを這って朝顔の咲く
 
 
炎天下淡き花付け薄荷楚と立つ
 
 
2002年4月10日
HAGOROMO にて

 
 
 
『 秋 』   ・・・三三五五で
 
 

ぬしの 隠れ 三五夜に ひと散りて
 
 
ノックノック 青柿がトタン屋根
 
 
夕日笑う 桜葉の舞う先で
 
 
ススキ泳ぐ つくよみの暈の内
 
 
未だ 隅で 扇風機 俯いて
 
 
2002年4月12日
HAGOROMO にて

 
 
 
『 冬 』
 
 

ときとしてこの冷たさまでにも笑われて
 
 
夕日浴びはらりと踊る桜葉の空に残すその黄色
 
 
伸びきった影ふふふと笑う夕日遠く
 
 
その風は何探す落ちた葉までを捲 めく りつくし
 
 
のたうつさえも叶わずに
凍てつき落ちて
凍てつき落ちて
 
 
追い抜いたその風はどこへと向かう
 
 
2002年6月16日
HAGOROMO にて

 
 
 

 
 
 
gosadon's tweetsCopyright ©2001-2024 gosadon All rights reserved

『 奥に細道 』
『 ごさどん.ねっと 』
Copyright ©2001-2024 gosadon All rights reserved