朔
さく
の夜
朔の月が笑う夜は
どこまでも
どこまでも
あの白く輝く雲を
望んで指して
濡れ羽色の夜が降る中
ひたすら
ひたすら
あの白く輝く雲を
追いかけて
虚ろな目をして
見下ろす空
うつお
漆黒を纏
まと
い
漂う光
駆けて抜ける
風の声
行き場を無くした
冷気達
朔の月が笑う夜は
この瞬が綻
ほころ
びぬよう
この時が破れぬように
縫って歩こう
あの白く輝く雲を
望んで指して
追いかけながら
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