夏連れて雲裂き落ちる羅紗鋏らしゃばさみ 鳴く蝉の声焼け果てて夏最中さなか
泥見つめ凍てつき融けぬサギの夏風鈴も稲妻驚き音割れて またひとつ煮え玉落ちて夏盛る 囀さえず り続ける蛍光灯 突如叫ぶ冷蔵庫 許してやろうか 夏だから 心して入った末の蚊帳かや
の中
時来ればやがて目に付く蒲がま
花穂
思い立ち午前三時の髪洗い 夏でなければネタになりしも 人手から直に喰らうか野のものよ
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