出しそびれ
しまいそびれた
扇風機の笑う夜
春吹けば 春に吹けばと 悔いの風風 そこかしこ
季節縫う稲霊
いなたま
までもが陽を楽しみて
黒の実の四の五の付けての桜木の
これがこの夏眠を促す天
あめ
の音
陽を受けてやむなく動く体ぞ哀れ
ふふふふふっ風無くも揃って笑う螢の袋
山吹の夢を吸っても渋いのか何を企む黒衣のふたり
蛇ひとつ泳ぐ五月の空深く
そしてまたいつものように日常が襲いかかる明日を前に
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