パイロンにトンボひとたり影まで赤く 降り降りる陽射しをただただ睨みつけ
炎天に弾む夏服三四つウチワケータイあいたるカケラ
ネット裏カラスの溜息夕顔伸びて
今日の陽は風払い雲追い去りて置き場なく
窓泣かせハッタリのみの風今日も
風よ風 あの雲だけは そのままに傘ひとつ天を指す先見るを敵わず
暗雲の空に蓋して七夕の明け
笹を背に丸め棄てたる短冊の夕空高く川を目指して
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