厚雲に負けたか地を這う今の風 雨打たれ溜息飲んで俯いて真昼も近し月見草
ドクダミの青に向かい十字を掲げ
風を待ち風に越される子雀の
クモの巣の捕らえた雨粒輝いて人の山程集め置き
バンの子の夏風の中のアラベスク
南風 なんぷう 冷笑陽 よう の夏越 なごし六月の池に笑う雲一つ
シジュウカラの子の連なり描く山みつよっつ
朔の月見守る下で寝損ねて宵を待つ草のまた一人 ひとたり
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