忘れ草睨
にら
む先に夏の欠片
かけら
陽暦七夕傾くだけの笹飾り
小さく低く咲くひまわりに夏落ちて
居心地悪くふと持てば吾より先に伸るふぐり
朝日浴びヤゴの抜け殻風を喰う
雲を負い水に飛び込む翡翠も翳り
指蹴って逃げ水追ってアキアカネ
トンボが泳ぐこの空に
蛙が泳ぐこの水に
蝶が舞うこの空に
子供が騒ぐこの水に
今年の夏は蟄居して
ムクゲ花畳んでここに重なり降りて
鳴く前に喰われるセミの声またひとつ
Copyright ©2001-2025 gosadon All rights reserved
Copyright ©2001-2025 gosadon All rights reserved