月浮いて 沈む夜は また淡く 号と泣く冬空のただ黒く
たとえれば
いま きょうがいる いたさ 昨日の寒きを引き摺
ず って
ふと長く垂れる 細き雨 ポッケより
握る 鍵の この冷たさに 風に立つ枯れ木に踊る冬のあはれか
鑿
ノミ を受け 痩せて尖 とが る 風さえ撓 しな る ぼろ出る前に見上げる冬空
口をつき白く昇る吐息の不快
やがては実のみ残る木に包まれ
|