ふぅ この音 この臭い・・・ ・・・やっぱ、雨 見るまでも・・・ ・・・ないか 毎度の事ながら、いつまで続くんだろ この、鬱陶 うっとう しい季節 重い鈍色 にびいろ の雲、空を覆って・・・ 青い空、一体どこで呆 ほう けてるんだろう まっ、この時期、空に青さ求めるのは・・・ ・・・無謀ってモンよね それ以前に、空を探すこと自体間違っているような・・・ ・・・でもさ、青空にギラつく太陽 多少無理してでも、あんた等に 自覚存在のひとつも、訴えて貰わないとさ あたし、映えないじゃん 映えようがないじゃん これっぽっちも これっぽっちも、さあっ えぇっ、聞いてんのぉ あんたぁ、あんたに言ってるんだよ 聞こえてたら、ちったぁ〜、顔さらしなさいよねぇ〜 あらぁっ、まっ あたしとしたことが・・・ ストレス溜まってるのかな・・・ ははっ って、こんなジョーキョーでヘラヘラ笑ってられるほど あたしのシンケー、ブットクないわよ ははっ、まいったかぁ〜、ば〜か ふぅ・・・ ううっ、誰に言ってるんだろ? って、あんたにだよ 気が付いたら、顔出せよなぁ〜 いい加減にさ はぁ、このギャグ、続けて二度は ちょっと、キツいなぁ ははっ あっ、思いついた 『虚ろな顔して雨打たれ 大口開けて主待つ 縁 ふち 剥 は げ縁 へり 欠け金魚鉢 空 あ きし心いつ満たされる 』 う〜ん、なんか なんか、いまいちなのよね なんて言ったらいいの 惨めさや哀れみばかり強調されて あたしの持って生まれた、優美さとか気品とかが 表し切れて、いないわね わかってるわ あたしにだって 大口開けて ボケーッと 空見てたって 誰も来ないことぐらいさ でも、あたしにどうしろって言うの まさか自分で縁日探しだして 金魚掬 すく うワケ、行かないでしょ 待つこと以外、 あたしに何が出来るって言うの ただでさえこの梅雨時 鬱陶しくてしょうがないんだからさ ねっ もう いいでしょ 一人にしといて はい、はい さすがに三度目ともなるとね 矛先 ほこさき 変えてみましたとさ それにしても・・・ ・・・タイクツ 『退屈の二文字虚ろな心に谺 こだま して』 『心カラカラ音立て笑う』 『空 から の心ここにあり 例えそれが空っぽでも あればよし 空の心を持つ者は どんな夢を見るのだろう 例えばそれは空 そら の夢 果て無く広がる青の洪水 浮かんでは消える はかなき夢 鳥たちよりも高く 太陽よりも明るく ・・・ ・・・明るく・・・ ・・・明るく・・・ 』 うぅ、繋 つな がってない 繋がらない・・・ じゃっ あんた あんたが代わりに あたしの空っぽの心 満たしてくれるとでも言うの 何も出来ないのなら ほっといて 何もする気ないのなら どっか行って お願いだから 梅雨が明ければ 青空が顔出せば 暑くなれば あたしの出番 そうでしょ、ねっ でも、このまま このまま、秋迎えたりして そのまま、冬突入したりして うん、うん、ありうるなぁ〜 って、ない、ない 絶対に ねえ、ねえ 金魚鉢って名前付いてるけど なにも、金魚しかダメ、ってワケじゃ無いんだからね メダカでも・・・、うん、うん オタマジャクシでも・・・ ザリガニでも、うっ カメでも、ううっ あっ、そうだ 水草なんてどぉ、水草 水の中でユラユラ 葉先に小さな泡沢山付けてさ お日様の光り浴びると それがキラキラ輝いて キレイだよ 無理に、生き物入れなくてもいいんだよ ビー玉底に敷いてさ オモチャの船浮かべるの なんか、チープで いいかも まっ、金魚には負けるかも知れないけど ははっ、ははははっ ねえ、ねえ 今の聞いた 聞いたよね これって・・・ ひょっとして夢じゃない ねぇ、立派な夢だよね そうよ、夢だよ なんだ、心空っぽでも 夢見れるじゃない 素敵な夢をさ あっ、ツイ興奮して「ら抜き言葉」使っちゃった 「見れる」じゃなくて「見られる」でした あたしとしたことが・・・ そうだよね、夢があるじゃない 例え、中身が無くても 心が空っぽでも 夢があるよね だって、夢は誰にも奪われないもん 夢はどこでも連れてってくれるし 夢、夢、夢〜 うぅっ、イザとなったら 何も思いつかない 夢、夢、夢〜 あたしの夢 どこいったのぉ〜 『夢をば見んと欲するも そは、既に何方 いずち 去れり われ、現世 うつしよ に寄り添いて そが行く方を見続くのみ 撓 とお らう時の中 空の心を置くその場所もなく』 う〜ん なんか、物足りないな トドメに何か一言欲しいな うわぁ、また雨強くなって・・・ ふうっ ントに、いつになったら夏来るんだろね 夢をば見んと欲するも、かぁ〜 げっ、ちょっと、ちょっと、待ってよ 何なのこれは、ええっ、 何なのよ、これは、一体 夢をば見んと、ですって ううっ、危ない、危ない 危うく現実逃避するとこだったわ もし、あたしが遠い世界へ行っちゃったら どうしてくれるのよ えぇっ、聞いてんのぉ あんたぁ、あんたに言ってるんだよ 聞こえてたら、顔さらしなさいよねぇ〜 ははっ、ドサクサ紛れにまた言っちゃったよ 飽きないねぇ、あたしも まっ、いっかぁ、たまにはね って、いつものことでしょ はい、はい、はい、っと はぁ〜ぁっ いつまで続くんだろ、雨 この鬱陶しい季節 早く夏来ないかな そしたらさ |