夜深く茶柱ひとつどうと寝て 雲裂いて墜ちた陽射しタンポポの先
空に浮かぶ矢印に従い歩く冬の午後
号と泣きて木枯らしよこの耳が欲しいか
また今日はどこまで上がる白い息
猫の抜け殻ひとり路肩で睨
にらむ む空
山茶花の溜息漏れて空染めて巴里と告げ天に向かった磁器ひとつ
ドウダンの真っ赤になって背伸びなぞ
空青く果て無く続く風が刺す
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