風に背を押され押されて池長閑 のどか 寒空に月のみひとり笑み浮かべ
冬なれば赤き花のみ焼き付いて
開いたる窓に吹き込む雨さえふゆと呟く
山茶花 さざんか を打ちて鵯 ひよどり 雪を聞く
時さえも また いつものように いつものように
かの声は届いていると告げるのみ酔うてのみまみえる記憶と添い寝して
この酒もまたうまいと喰らう晦日前
冬連れて指に留まりし小さき茜
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