また柔らかく蜻蛉の赤が夕に消え 雨の宴この足跡までも喰らいて飲んで
突然に夏失せて瞬く星のひとつほど
この時も漠として茫としてまた逃げて行く
影を揺らして台風の逃げ 何をば招く真白に弾くシビトバナ
冬鳥の舞来る逃げそびれた夏の池この風はまた痛みなぞをば置き去りて
秕
しいな が誇るこの夏もいつしか秋に蝕されて
今日もまた乗り損ね零れる思いのひとつおり
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