酔う前に 眠りに落ちて 春を知り 声高のオナガ
黒い帽子 かぶりおり 花探す
その足下に 躙 にじ られた かつては花の 十二十 いつか縮む
影に向かい 言う事も無く 風に聞く
春よりも先 目が応え 折り重なって
ネコヤナギ四つ八つ 空を割り割く 飛行機の痕 あと 呆けたように 緑顔 朝寄りの夜の縁 へり
墜ちるを拒み ふとしがみつく 月舟の
夜を越して また戻り居る 雨弾き柳の緑に咲き誇る今
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