路上の葉も柿の実のその朱ほどに色を添え 斜め向こうの日射しに負われ
また無造作にカレンダーの一枚ほどを引きちぎり
あとひとつみちるまでのそのひとつ
猫の目ほどの光る夜に抱かれて
例えて言えば丈にも及ばぬ小さな秋の公孫樹に寄り添う
問うずの逆に問われ風の去る実の赤と競るか月のただ青白く
満ちた月のその冷たさに思わず笑うその醒め加減
確か何処かとまた今日も迷宮の裾
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