彼方へ、そして・・・ 
断続寓(愚)話 『 彼方へ、そして・・・ 』 その二



   その二  はて?さて?
 
 
 はてさて、一体どうしよう。
 いっそ子分を造ろうか。
 いやいや、それではどこぞのだれぞと同じこと。
 
 いつの間にか、名前の付いた詮方ちゃん。
 辺りを見回し考えた。
 
 
 目に入るのは虚無ばかり。
 実体なんぞありゃしない。
 
 フワフワ、ユラユラうごめいて。
 確かにきれいであるけれど。
 これじゃ自分と変わりない。
 
 
 わっ、なんだって。今なんて言ったんだっけ。
 自分と変わりないだと。
 こんな、フワフワ、ユラユラの。
 なんだ、光や影や、色や音。
 それと自分は同じだと。
 
 でもそれは、詮無きことと・・・・・・。
 違う、違う、ち・が・う。
 何かしないと、何とかしないと。
 ちっとも先に進まない。
 
 
 ちょっと待て、ここはひとつ冷静に。
 久遠の流れで、しばし沐浴、瞑想を。
 どこかで、つぶやく声がする。
 ここはいつでもいい天気。
 
 答えて曰く詮方ちゃん。いつもどこかはいい天気。
 


 
 
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風鏡譚 −ふうきょうたん−
『 ごさどん.ねっと 』
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