その五 そしてできたよ、そうなんだ 我に返った詮方ちゃん。 辺りを見回しつぶやいた。 みんなどこかへ行っちゃった。 みんな遠くで輝いて。 ここには何も残らない。 なんだかとても寂しいぞ。 ホントにちょっと淋しいぞ。 またもや悩む詮方ちゃん。 あれこれいろいろ考える。 あれこれ考えあきらめる。 フワフワ漂い考える。 どうしてこうも考えが。 くるくるぐるり考える。 まとまらないのはどうしてか。 くるくるぐるり一回り。 ぐるり回って振り出しに。 あぁあ、これじゃ、またもや同じこと。 くるくるぐるり、くるぐるり。 ちっとも先に進めない。 うっ、くるくるぐるりだと。 ちっとも先に進めないだと。 そうか、そうだよ。そうなんだ。 なぜ気づかなかった、そうなんだ。 早く造ろう、そうなんだ。 一心不乱の詮方ちゃん。 再び造るは、そうなんだ。 大中小の、そうなんだ。 そしてできたよ、そうなんだ。 詮方ちゃんの手を放れ、あちらこちらで回り出す。 大小様々輪を描いて。 あっちでぐるり。こっちでくるり。 縦にくるりに、横にもくるり。 見ていた詮ちゃん目がくるり。 ちょっとまずいぞ、このままじゃ。 頭の中もぐるぐるり。 やっぱりまずい、このままじゃ。 さあさあお聞きよ、そうなんだ。 これじゃ、あまりに忙しい。 これじゃ、あまりに忙しない。 もっとゆっくり回るんだ。 もっと大きく回るのさ。 それを聞いた、そうなんだ。 早速、指示に従って。 ゆっくり優雅に回り出す。 いつしか詮ちゃん中心に。 ゆっくり優雅に回り出す。 ついついつられて、詮方ちゃん。 みんなの真ん中、詮方ちゃん。 ゆっくりその場で回り出す。 |