その十三 果て無き世界の果ての果て いるべき者が、いなくなり。 代わりにやまほど置きみやげ。 あるべき意識が、なくなって。 代わりに無数の存在が。 たぶん、答えはここにある。 それがこの世の常の習わし。 それこそこの世の常の姿。 ただしここが常ならば。 ただしそれも常ならば。 辺りを満たすは、ほのかな違和感。 辺りに漂う、不安な気持ち。 辺りを満たすは、喪失感。 辺りに漂う、閉塞感。 ここに、あるはずない物ばかり。 あってはならない物ばかり。 どこかで何かが起こってる。 もはやこれは常ならぬ。 ここが常でないのなら。 今が常でないのなら。 問いがここにないことも。 答えがここに無いことも。 とりあえず何をすべきか、考えよう。 手始めに、無数の存在調べよう。 意識の触手をすと伸ばし。 縦横斜めに一回り。 全体像を把握する。 小さき者を中心に、幾多の微小が回ってる。 よく見れば、微小の周りに極小が、 回っているのも見て取れる。 なかなかこれは、たのしいぞ。 少し遠くを眺むれば。 遠巻きに、それらを囲む小さき者ども。 囲んで瞬く小さき者ども。 なかなかこれも、美しい。 他に何か無いのかと、遙か彼方を眺むれば。 果て無き果てに、果てがある。 限りない世界に限りが現れた。 まさにあってはならぬ事。 絶対あってはならぬ事。 しかし、なぜ。 声を殺して叫んでも、声は限りにかき消され。 声を大に叫んでも、声は果てに阻まれる。 小さき者は煌 きら めいた。 小さき者ども瞬いた。 |